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2023/02/14

【一悟一笑】 No.450 「 わたしたちの老子 」⑱

「 わたしたちの老子 」⑱

 ロシアのウクライナ侵攻から、間もなく1年を迎えようとしています。
一方、コロナ禍はまだ収束とは行きませんが、3年という歳月が流れています。

 前者は、人災。後者は、天災と言えるでしょう。
何事も解決するのには、長い年月がかかるのだな~、とため息が出てしまいます、。

「 人を無数に殺すがために、戦に勝っても、喪に服し、悲しみの涙を注ぐ 」 『 老子 』第31章

 こんな話しがあります。
ときは今から60年ほど前、昭和37年のことです。
当時、まだ総理大臣になっていない佐藤栄作氏はアメリカではその名を知られていませんでした。
その佐藤氏が国務大臣としてケネディ大統領に会いにアメリカを訪問されたときのことです。

 当時のアメリカは、キューバ危機の問題を抱え、緊張のピークに達していた最中、ましてやまだその名を知られていない日本の佐藤国務大臣との会見に割ける時間は、15分程度の予定だったそうです。

 短い時間の会見が終わりを告げる頃、
席を立とうとするケネディ氏に佐藤氏は、こう話されました。

 「大統領!シュバイツァー博士をご存じですか?」
「えぇ、存じております」
 「そのシュバイツァー博士がおっしゃっていますね。戦争に勝った国は、負けた国に対し喪に服するような礼を以て接しなければならないと」
「ほう!」
 終わりかけていた会見でしたが、佐藤氏の言葉にケネディ大統領は関心を示します。(微笑)
 「これは『 戦に勝つものは喪礼を以て接する 』という老子の教えです」
「そうでしたか!『 老子 』にそんな文章がありましたか!」
と言って、大統領はますます興味を示されて、会談は結局1時間以上も続いた、といいます。

 世界の為政者たちは、そのような意識を持って、国際政治の舞台で活躍してほしいものです!(ニッコリ!)

 今日は、ここまで。
それでは、また。ごきげんよう!