日本語をアルファベットで表記するローマ字には、大きく分けて訓令式とヘボン式の2種類があります。
このうち訓令式は、田中舘愛橘(たなかだて あいきつ)博士の開発した日本式を元にしています。
一説によると、その田中舘博士の命日にちなんだものが、ローマ字の日なのだとか。
とはいえ、実際の命日は5月21日だったのですが、1日ずらしてキリの良い5月20日としたというのですから少し不思議です。
他方で、横浜周辺にはヘボン式の考案者ジェームス・カーティス・ヘボン博士ゆかりの場所が点在しています。
医学博士のヘボンが来日したのは、横浜開港直後の安政6(1859)年のこと。
まだ外国人用の居留地ができていなかったため、当初は東海道神奈川宿の成仏寺に寄宿していました。
ここでヘボン夫妻が開いたヘボン塾が、現在の明治学院やフェリス女学院の起源なんですよ。
また、ヘボンは同じ宿場内の宗興寺に施療所を開設し、境内には記念碑が建てられています。
モダンな造りの宗興寺
来日から3年後に横浜居留地に移転しましたが、そのヘボン博士邸跡の横浜地方合同庁舎前には立派な石碑がありますよ。
帰国前の最後の居住地となった山手町の邸宅跡にも、記念の銘板が据えられています。
宗興寺・記念碑:ヘボン博士の偉大なる功績が書かれています
合同庁舎前の石碑:元町中華街駅から徒歩すぐです
山手町の邸宅跡銘板:ヘボン博士の凛々しい横顔が門柱になっていました
<ひとくちMEMO>
ヘボン博士は自分の名字を自ら「ヘボン」と呼んでいたそうですが、現代の読み方では「ヘプバーン」となります。
そう、あの大女優オードリー・ヘプバーンやキャサリン・ヘプバーンと同姓なんですよ!
綴りはHepburn(ヘプバーン)と読めますね!